熟成酒は、日本酒の中でもマイナーと言えるジャンルであり、従来の日本酒の文脈に囚われない方法で世の中に対して再提案をする必要がありました。そこで熟成酒を芸術作品として捉えるオンラインギャラリー「北村酒展」の傘と、そこで展示販売される作品群の第一弾として氷温熟成に特徴を持つAQUETHA(アクイータ)を位置づける設計を行いました。その構想に基づき、アーティストが手作業で作成するボトルや、ギャラリーとして機能するWEBサイトなどを企画・開発しました。
これまで熟成酒がアプローチできなかった、洋酒ファンや若年層から好評を受け、既に第二弾以降の作品選定が進行中です。
北村酒展
"酒蔵で眠る希少な熟成酒を、
アート作品と捉えて販売するオンラインギャラリー"
- Client
- KITAMURA SHOTEN
- Date
- 2022.2
- Overview
- 100年の歴史を持つ酒造機器商社が、全国の酒蔵との信頼関係を基にスタートする新規事業および看板商品の立ち上げを、ブランディングやコミュニケーションの領域からサポートしました。
- Issue
- 日本中の酒蔵で遊休資産となっている熟成酒の価値を高めるにはどうしたらいいか?
- Solution
- 日本中に眠る秘宝である熟成酒をキュレーターとして展示販売するオンラインギャラリーの開設
Expertise
- Initial Research
- Concept Ideation
- Concept Writing
- MVV
- Naming
- CI / VI
- Package
- POC
- Movie
- UI / UX
- Design System
- Animation
- Prototype
- Web / App
- Integrated
Communication - Social Action
- PR
- CI / VI
ビジュアルアイデンティティ
北村酒展のロゴでは「繋ぐ」「次へ送る」「ひと続き」であることを示す記号「ハイフン」をビジュアルアセットとして取り入れることでゆっくりと時間をかけて熟成する、時の流れや繋がりを表現しました。
北村酒展の作品にあたるAQUETHAのロゴでは、時代の変革期を象徴するトランジショナルローマンであるBaskervilleをベースに、よりたおやかで揺らぎのあるニュアンスを取り入れました。更にUとTを融かす事で名称の由来でもある水(AQUA)とエタノール(ETHANOL)の融合を表現しています。
- Package
ボトル&パッケージ
重力の力で形成され、時の流れを感じさせる自然な丸みを持つ、同じ形は二つと無いボトルの制作をガラス作家の貴島雄太朗氏へ依頼しました。さらに氷温熟成の特徴である澄んだ印象を最大限に活かすため、活版の空押しで印刷した透明感のあるラベルを制作。外箱もフラスコ型のボトルがより魅力的に見えるようにシンプルな形状へ。蓋と本体の境界に凹みを作り、熟成のタイムラインを表現するなど、作品の持つ繊細なイメージを取り入れた高級感を演出しました。
- UI / UX
ギャラリーとしての佇まいを持つWEB
Webでは商品の「売り込み」ではなく作品を「感じ取れる」ギャラリーのような空間づくりを目指しました。AQUETHA最大の特徴である、ゆっくりと時間をかけて熟成する繊細さを、白を基調としたビジュアルや華奢なラインで表現。スペースを広めに設けたデザインにすることで、クリーンかつシンプルに洗練されたイメージを醸成しています。
Credit
- Design Direction
- Hayato Itakura (tacto)
- Lead Design
- Kohei Futakuchi
- VI Design
- Kohei Futakuchi
- Package Design
- Kohei Futakuchi, Kazuya Sakamoto(tacto)
- Bottle Design
- Yutaro Kijima
- Print Production
- Takeshi Wakasa (ONE LETTER)
- Strategy
- Takuro Nakajima (tacto)
- Copy Writing
- Takuro Nakajima (tacto)
- Curation
- Yuto Kitamura (Kitamura Shoten)